NISA&iDeCo 投資情報

【知らないと損】NISA口座移管。金融機関を変えるときの意外な落とし穴

NISA口座を開設したけど、実際に運用を始めてみて

「この金融機関のサービスが使いづらい」「投資したい商品がない」「別の金融機関の方が魅力的」

様々な理由がありますが、「ちょっと違うな…」という事で別の金融機関に変更したくなるときがありますよね。

特にNISAをこれから始めるという方の多くは投資初心者であることが多いので、情報が少ないうちに最初の金融機関選びに失敗してしまうことも多いと思います。

そんなときはNISA口座をよりお得に投資ができる証券会社に移管してしまいましょう。

なので、今回はNISAの金融機関を変更するための方法を解説していく同時に

口座変更にともなうリスク・デメリットについてもお話していきます。

個人的には、余程の事がない限り金融機関の変更は手間やデメリットに見合わないのでおすすめはできないです。

そのぐらい最初の金融機関選びは慎重に決めた方が良いということですが、知識がなければ間違っているかどうかもわからないですよね…。

そんなときに最終手段としてNISA口座は他社に移管できるということを覚えておいてください

この記事を読んでわかること

  • NISA口座を他社に移管する方法がわかる
  • NISAの種類の変更方法がわかる
  • どんな人が口座変更をしているのかがわかる
  • NISA口座を移管するリスクがわかる

一緒に学んでいきましょう!

NISA口座の金融機関は変更可能

まず最初にNISA口座は一度開設しても、あとから別の金融機関に変更する事ができます。

ただし、NISA口座はひとり1口座しか持つ事ができないので複数の金融機関で同時に開設する事ができません。

さらに、一般NISAとつみたてNISAの併用もできません。しかし、NISA口座は1年に1回変更する事ができます。

NISA口座変更の時期

NISA口座を変更するときは変更時期に注意しましょう。

例えば2022年度のNISA口座を変更するなら2021年10月1日から2022年9月30日までの間に手続きをする必要があります。

しかし、2022年度内で一度でも商品を買い付けしていた場合、年度内の変更ができないので

変更するなら最短でも2022年10月1日まで待つ必要があります。

2022年10月1日からは2023年度分の受付が始まります。

手続きに必要な関係書類のやり取りには3週間程度かかるため変更するなら早めに手続きする事をおすすめします。

金融機関変更の流れ

NISA口座の金融機関を変更する場合、元々利用していた金融機関と変更先の金融機関の双方に対して手続きが必要です。

ちなみに、双方の金融機関で手続きを並行して行うと時間短縮ができます。

変更前の金融機関でやるべき事

  1. 変更前の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」または「非課税口座廃止届」を提出する
  2. 変更前の金融機関から「(非課税管理)勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る

変更前にNISA口座で保有している商品を残しておきたい場合は「金融商品取引業者等変更届出書」を請求して、必要事項を記入して提出(返送)する事で「勘定廃止通知書」を受け取り、必要事項を記入して変更先の金融機関に提出してください。

・変更前の金融機関でNISA口座を完全に廃止したい場合は「非課税口座廃止届」を請求して、必要事項を記入して提出(返送)する事で「非課税口座廃止通知書」を受け取り、必要事項を記入して変更先の金融機関に提出してください。

どちらの場合でも変更前の金融機関に必要書類を請求する必要があります。

窓口のある金融機関(銀行など)はそのまま窓口か電話で、

ネット証券ではweb上で手続きを完了する事ができないので電話で必要書類を請求してください。

多少面倒ですが我慢して「NISA口座を別の金融機関に移管したいんだけど…」と要望を伝えましょう。

変更先の金融機関でやるべき事

  1. 変更先の金融機関でNISA口座を開設申請
  2. 変更先の金融機関から「非課税口座開設届出書」を受け取る
  3. 変更先の金融機関に「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と「非課税口座開設届出書」を提出する

口座開設に必要な書類

口座開設の際に必要になる書類は以下の通りです。

ちなみにネット証券と銀行などの窓口では必要になる書類が少々違います。

  • 非課税口座開設届出書
  • 勘定廃止通知書または非課税口座廃止通知書

※以下の書類はwebでマイナンバーを登録済みなら不要

  • マイナンバー通知届出書または個人番号記載書類
  • マイナンバーカードまたは通知カード(表・裏)のコピー
  • 各種本人確認書類(どれかひとつ)

口座開設のためにはマイナンバーの登録が必須ですが、webやアプリから簡単に登録する事ができるので事前に登録しておくと良いでしょう。

マイナンバー通知届出書または個人番号記載書類というのは金融機関ごとに呼び名が違いますが、その名の通りマイナンバーの情報を記入するための書類です。

マイナンバーが未登録で郵送する際は記入しましょう。

さらに金融機関によって異なりますが個人番号確認書類の写しや本人確認書類の写しを添付する必要がありますので、用意しておきましょう。

続いて銀行などの窓口で口座開設する場合は以下の書類が必要です。

個人的にはネット証券での口座開設を強くおすすめします。

が、

それぞれの事情によってどうしても窓口で開設しなければならないという場合があるかもしれないですからね

ただ、何度も申し訳ないですが投資できる商品の数や利便性、資産形成のしやすさなど、どれをとってもネット証券の方が優秀であるという事は伝えておきます

銀行で必要な書類

  • 勘定廃止通知書または非課税口座廃止通知書
  • キャッシュカード
  • 届出印
  • 本人確認書類(以下のどれかひとつ)
    1. マイナンバーカード
    2. 通知カード(原本)+顔写真付き本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)もしくは顔写真なし本人確認書類2点(保険証や住民票の写しなど)
      • ※通知カードと確認書類の住所が違う場合は利用できません
    3. 個人番号付き住民票の写しの原本+顔写真付き本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)もしくは顔写真なし本人確認書類(保険証や戸籍謄本など)

※2020年2月4日以降に発給申請されたパスポートは、現住所の補足書類も必要

一般NISAからつみたてNISAへの変更は可能

NISA口座の種類を一般NISAからつみたてNISAに変更する事は可能です。

逆に

つみたてNISA → 一般NISA

に変える事も可能です。

同一金融機関内での変更であれば、金融機関で備えている「非課税口座移動届出書」に必要事項を記入し提出する事で変更が可能です。

NISAの種類変更だけでなく金融機関の変更もする場合は、他の金融機関に口座開設をする方法と同じで、新しくNISA開設をする金融機関で、口座開設の手続きの中で一般NISA・つみたてNISAどちらで運用するかを選択すれば完了です。

ただし、一般NISAとつみたてNISAでは年間の非課税投資額や非課税期間、投資できる商品に大きく違いがあるため、投資する目的が異なります。

それぞれの特性を見極めて、自分の投資目的にぴったり合った方を選択しましょう

一般NISAとつみたてNISAのメリットやデメリットはこちらの記事でもまとめていますので、まだ投資目的が定まっていない方はご覧ください。


一般NISAの始め方とメリット・デメリット

・つみたてNISAの始め方とメリット・デメリット

NISA口座切り替えのリスク

NISA口座は年に1回だけ変更する事ができますが、リスクがあるのでよく考えて本当に変更しなければいけないのか判断してください。

NISA口座切り替えや他金融機関への移管におけるリスクは大きく二つあります。

  1. 変更前に購入した資産を変更先のNISA口座に持ち越せない
  2. 変更先の金融機関でロールオーバーができない

1.変更前に購入した資産を変更先のNISA口座に持ち越せない

例えば金融機関Aで一般NISAを開設して

1年後、金融機関BでつみたてNISAを開設します。

この場合、Aで購入してあった商品をBで運用する事はできません。

新たに商品の買い付けこそできませんが、Aの一般NISA口座を継続して保有する事はできます。

Aの一般NISA口座の非課税期間は残り4年あるので、その期間を終えるまではA、B双方の金融機関でNISA口座を保有している事になります。

NISA口座をふたつ保有する事になりますが、先ほど言ったように変更前の口座で新たに買い付けはできないので運用するなら変更先の金融機関でのみとなります。

そして、同一の金融機関でNISA口座の種類を変えた場合であっても商品の移動はできないので注意が必要です。

2.変更先の金融機関でロールオーバーができない

一般NISAではロールオーバーする事で新NISA・つみたてNISAのどちらかに切り替える事ができます。

しかし、このロールオーバーは一番最初にNISA口座を開設した金融機関でしか行う事ができません

金融機関変更後にロールオーバーを行いたい場合は、もう一度金融機関の変更を行い

最初にNISA口座を開設した金融機関に変更し直すという作業をしなければなりません。

ロールオーバーは一般NISAを利用する上で重要な項目のひとつなので

もし、移管先の金融機関で一般NISAを利用するつもりなら

そこで購入した金融資産をロールオーバーする事はできないというデメリットを忘れてはいけません。

ロールオーバーって何?

という方はこちらの記事でロールオーバーの仕組みも解説していますので併せてどうぞ。

・知らないと損する新NISAの基本

金融機関を変えるのはどんな人?

金融機関を変えると様々なデメリットを受ける事になりますが、だから絶対に移管するのは間違い!というわけではありません。

それぞれの事情があるので、どんな場合なら金融機関の変更を検討するべきなのか

逆にどんな場合ならやめた方が良いのか…その状況と理由を解説していきます。

金融機関やNISAの種類を変えるならどんなとき?

  • 変更前の金融機関の手数料が高い
  • 変更前の金融機関に投資したい商品がない
  • 変更先の金融機関のサービスをどうしても利用したいとき
  • 投資目的とNISAの種類が合ってない

金融機関によって各種手数料に大きく差がある場合、特に積立投資で長期的な運用をするなら手数料の積み重ねが後の資産形成にも大きな影響があります。

また、金融機関によっては投資できる商品に限りがあるので、口座開設したのは良いけど投資したい商品が全然なかった…という方もいるでしょう。

キツイ言い方になるかもしれませんが最初の下調べが甘いと言わざるを得ないので

ぜひ変更を検討してみてください。

変更先の金融機関のサービスという事でわかりやすい例をあげると楽天証券のサービスがあります。

楽天市場でよく買い物をしたり、楽天の運営するサービスをよく利用する、

いわゆる楽天経済圏で生活する方はより多くのポイントが得られるのでサービスを統一させるために楽天証券に切り替えるという選択もあります。

続いて、NISA口座を作ってみたものの…自分の投資目的と制度がまったく嚙み合っていなかった場合はNISAの種類を変更した方が良いでしょう。

短期投資でトレードをしたいのに積立購入しかできない、つみたてNISAを利用するのはタイミング投資で利益を上げる短期投資とは相性が悪過ぎるし

逆に長期でじっくり投資をしたいのに非課税期間が5年しかない一般NISAでは複利の効果を実感する前に非課税期間が終わってしまうので、こんなときはNISAの種類変更を検討してみましょう。

NISA口座を開設するならネット証券で手数料最安基準・投資商品も豊富SBI証券楽天証券がオススメです。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

NISAの金融機関を変えてはいけないのはどんなとき?

  • サービスの改良・改悪があったとき
  • 変更先の金融機関で一般NISAを利用したいとき

各金融機関によってポイントやサービスを売りに集客をして口座開設者を増やした金融機関もあります。

が、

経営状況を理由にサービスの改悪があったために他の金融機関にNISA口座を移管するというのは、正直な話、割に合わないです。

基本的に投資というのは一朝一夕で成るものではなく、長期的に付き合っていくものです。

その長い投資人生の中で、改悪や改良なんて出来事はこれからも起きるでしょう。

しかし、その度にコロコロと金融機関を変えるのは手間もかかるし、変えるメリットもあまり大きいものではないのでリスクを抱えてまでやるべき事ではないと思います。

さらに、変更先の金融機関で一般NISAを運用するのもあまりおすすめできません。

その理由は、変更先の金融機関でロールオーバーができなくなるからというのが最大の理由です。

リスクの方でも説明しましたが、NISA口座の移管を行うとロールオーバーは変更前の金融機関でしか行う事ができなくなります。

ロールオーバーは一般NISAの大きなメリットのひとつなのに、それを封印されるとか何の嫌がらせでしょうか

一般NISAをお得な金融機関で利用したい気持ちはわかりますが、諦めて元々の金融機関で継続利用するか

別の金融機関で短期投資用に特定口座をNISA口座とは別に開設するのが無難だと思います。

まとめ

今回はNISA口座の移管方法について学びました。

NISA口座は1年に1回、期間内に変更手続きを変更前と変更先の双方の金融機関でとる事で金融機関を変更する事ができます。

移管先が銀行のような窓口の場合とネット証券の場合とでは必要になる書類に違いがあるので、自分は何の書類を用意するべきなのか調べておきましょう。

しかし、NISA口座を別の金融機関に移した場合、変更前のNISA口座にある資産は持ち出せない事やロールオーバーができなくなるなどのリスクがあるので

それらを踏まえた上で本当に金融機関を変更するべきか検討をしてください。

個人的な意見ですが、金融機関変更のリスクやデメリットを受け入れてまで変更する事はほとんどないと思っています。

ひとつだけ例外があるとしたら、一般NISAを利用している方が同一または別の金融機関でつみたてNISAに切り替えるときです。

この場合はほとんどデメリットが気にならないので、投資目的が合うなら変更した方が良い結果が得られるでしょう。

NISAは最初が肝心なので、焦って微妙なところで口座開設すると、あとで大変な苦労をする事になります。

NISAなら各種手数料最安基準で投資商品も豊富なSBI証券楽天証券のどちらかで口座開設をしておけば間違いないです。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

このどちらかで口座を用意しておけば、今後片方でサービスの改悪があったとしても80点の投資を続けることができるので、気にせずそのまま運用を続けても大丈夫です。

100点の投資を目指して改悪や改良があるたびに、より効率の良い金融機関に切り替え続けるのは相当な手間がかかる上に切り替えのデメリット以上のメリットを得るのは難しいのでやるだけ無駄です。

何度でも言います。

より早くNISAを利用して投資を始める事はもちろん大切な事ですが、そのせいでいい加減な金融機関でNISA口座の開設をすると後悔する事が多いので最低限の要所は抑えておきましょう。

それではまた次回!


ここからは関連記事になります。

投資初心者さんがNISAを始める際に参考になる情報を学べます。

・投資初心者が一般NISAよりもつみたてNISAを選ぶべき5つの理由

最初の金融機関選びに失敗して商品数豊富、クレジット積立でお得に投資ができるSBI証券にNISA口座を移管したいときはこちらの記事で事前情報や変更方法が学べます

【NISA】他社からSBI証券に移管する方法【口座変更】

SBI証券も良いけど、私は楽天のサービスを普段からよく使います。

という方は楽天証券がおすすめ。

手数料も最安水準、投資商品も豊富なことに加えて各種楽天サービスを利用すればポイントも貯まりやすく、貯めたポイントは投資にも使える。

逆に投資で貯めたポイントを買い物などのサービスにも使える。

楽天証券にNISA口座を移管するならこちらの記事をどうぞ

・【NISA】他社から楽天証券に移管する方法【口座変更】

-NISA&iDeCo, 投資情報