NISAは2014年1月にスタートした、少額からの投資を行う方のための非課税制度です。
元々はイギリスのISA(Individual Savings Account)という個人貯蓄口座がモデルとなっており、日本版のISAとしてNISA(Nippon Individual Savings Account)と呼ばれるようになりました。
2018年により長期投資に向いたつみたてNISAがスタートした事で一般NISAと名前が変わり特徴であった長期・少額投資のお株を奪われた形になりましたが、まだまだ投資中級者からの人気は高いです
日本の投資の優遇制度はNISAとiDeCoがありますが何から始めるかは人それぞれ相性があります。
まずは自分の状況や目的、性格などからどの優遇制度が自分に合っているのか調べてみましょう
この記事を読んでわかること
- 一般NISAの基本的な知識がわかる
- 一般NISA口座の開設方法がわかる
- 一般NISAのメリットやデメリットがわかる
- 一般NISAがどんな人に向いているのかがわかる
一緒に学んでいきましょう!
一般NISAと新NISAの基礎知識
一般NISAの基本情報とその後継にあたる新NISAの基本情報は以下の通りです
一般NISAは18以上の成人向けの制度で、一括投資または積立投資による年間最大120万円までの投資額に対する利益が非課税になります。非課税期間は最長5年、非課税投資枠は最大600万円。
投資資金に対しては特に制約もなく、いつでも解約して取り崩す事ができます。
一般NISAの始め方
一般NISAを始めるために必要な手順は以下の通りです
- 金融機関を選ぶ
- NISA口座を開設する
- 運用商品を選ぶ
NISAはiDeCoと違い簡単な手続きだけで、最短で申請から2日で運用を始める事ができます。
1.金融機関を選ぶ
NISAを始めるならネット証券がオススメです。ネット証券ならスマホで簡単な手続きだけで口座開設もできて、余計なセールスに大切な時間を割かれる心配もありません。
NISA口座で今最もおすすめされるのは、SBI証券、楽天証券の2択が最有力です。
両社とも手数料は最安値でサービスも充実しているため、こちらの2社ならどちらを選んでも後悔はしないでしょう
SBI証券は独自商品のSBI・Vシリーズが手数料がかなり安いので経費率を抑えつつ、お得に投資したいという方に人気があり、この銘柄に投資をしたいがためにSBI証券に決める方もいます。またカード積立もできるのでポイントを貯めて、貯めたポイントをまた投資に再利用できるのはうれしいですね。
楽天証券のオリジナル銘柄は経費率の点で若干SBI証券におくれをとっているものの、ポイントの使いやすさがピカイチで楽天市場などの関連サービスを利用していればどんどんポイントが貯まるので、投資をして買い物。買い物をして投資。というように自由度が高いのがいいですね。
2.口座開設
金融機関を選んだら、そのまま口座開設をしてしまいましょう
スマホから以下の5つのステップをクリアすれば簡単に口座開設できます
- 本人確認書類の提出
- 個人情報の入力
- 納税方法の選択
- NISAの選択
- 約款の確認
1.本人確認書類の提出
スマホからなら以下の本人確認書類をカメラで撮影するだけで提出できるので簡単です
口座開設をするには本人確認書類(どれかひとつ)が必要になるので手元に用意しておきましょう
本人確認書類(どれかひとつ)
- 運転免許証(表・裏)
- 住民票の写し
- 印鑑登録証明書
- 各種健康保険証(表・裏)
- 住民基本台帳カード
- パスポート(日本)
- 在留カード
- 特別永住証明書(表・裏)
- マイナンバーカード
2.個人情報の入力
名前や性別、住所等の個人情報の入力をします
3.納税方法の選択
ここでは口座の種類(特定口座か一般口座)を選びます。
特定口座では源泉徴収アリかナシのどちらかを選べますが、特定口座(源泉徴収アリ)なら証券会社が税金を計算して差し引いてくれるので自分で確定申告する手間が省けるのでオススメです
4.NISAの選択
ここでNISA口座の開設をします。
NISA口座では『つみたてNISAを開設』と『NISAを開設』の2種類がありますが今回は一般NISAの口座が欲しいので後者の『NISAを開設』を選択します。
※NISA口座はひとりにつき1口座まで(他証券会社を利用して2口座以上持つのも禁止)。さらに、つみたてNISAか一般NISAのどちらかひとつしか持てないので注意してください。
5.約款の確認
最後に取引等に関係する説明や規約を読んで同意する。
その際は規約のリンクをクリックしてPDFファイルを確認しないと先に進めないので、面倒くさがらないで一度は目を通してください。
以上で口座開設は完了です。スムーズに申し込みが進めば15分くらいで終わります。
あとは申し込みから1~2営業日後にメールでログインIDが届くのでサイトにログインして取引を始めましょう
3.運用商品を選ぶ
一般NISAではつみたてNISAと違い運用商品に制約がありません。
なので、自分の投資スタイルに合わせて様々な商品に投資する事ができるのがNISAの強みです。
しかし、新NISAにロールオーバーする際にレバレッジ型の商品はロールオーバーできないので、後々の事を考えるとNISAでレバレッジ型の商品を購入するのはやめたほうがいいです。
メリット・デメリット
一般NISAのメリット
メリット
- 運用益が非課税
- 投資金額の上限が大きい
- 幅広い商品に投資ができる
NISAでは本来かかるはずの運用益から20.315%の税金がすべて非課税になります。
100万円の利益があれば約20万円ですが
1000万円の利益があれば200万円の税金が浮くと考えればすごさが感じられるでしょうか?
利益が上がれば上がるほど節税効果も大きくなっていくので、つみたてNISAよりも年間の投資金額の上限が大きい一般NISAでは運用に成功したときに得る利益が大きくなる事が多いため短期や中期の保有を目的に利用される事が多いです。
短期や中期の投資では投資信託だけへの投資ではリターンが安定しない事が多いので、特に制約もなく幅広い商品に投資できるという事で投資に慣れた中級者以上に好まれています。
一般NISAのデメリット
デメリット
- 元本割れの可能性がある
- 非課税期間が短い
- 損益通算ができない
- 非課税枠の再利用ができない
投資である以上リスクは付き物です。相場の上下に巻き込まれて元本割れをする可能性はゼロではありません。
運用期間が5年しかないので運悪く非課税期間終了時に元本割れをしていた場合、特定口座に移管後株価が上昇して元本と同じ金額に戻ったとしても、移管後の上昇分は利益とみなされてしまい課税されるので注意が必要です
幸い、新NISAの開始にあたってロールオーバーが利用できるので非課税期間を延長する事ができるようになりました。
NISAでは損益通算ができません。本来であれば一般口座や特定口座で利益が出た場合、その他の口座での損失があれば利益と相殺して節税する事ができますが、このその他の口座にNISA口座は含まれません。
NISA口座内で損失が出た場合は節税に利用する事もできないので100%損失として計上されてしまいます。
そして非課税枠が再利用できないという事ですが、一般NISAでは年間の投資資金は120万円を超える事ができません。
仮にその年に40万円で購入した株式を途中で売却したとしても、その年の投資上限が120万円に戻る事はなく80万円分しか購入できません。
その年に120万円の株式を保有しているかどうかではなく、単純にその年の購入金額が120万円までという事です
一般NISAと新NISAの違い
2023年で一般NISAは終了し、代わりに新NISAがスタートします。一般NISAをベースに新設された制度ですが変更点がいくつかあり、場合によっては今までの一般NISAと同じような投資スタイルを続ける事が難しくなります
一方で上手く活用すれば非課税期間が延長されるので資産形成する上で非常に有利な制度なので利用しない手はないですよね
新NISAについて詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてどうぞ
まとめ
今回は一般NISAの始め方やメリット・デメリットを解説していきましたが
はっきり言って投資初心者に一般NISAはおすすめしません!
投資できる金額は大きいですが、初心者がいきなり大金を突っ込んでも良い事なんてひとつもありません。大概の人は資産の値動きに耐えかねて売らなくていい場面で狼狽売りをして、損をしてしまう事が多いです。
そして、幅広い商品に投資できるというのも中級者以上にとっては嬉しいメリットですが、初心者からしてみれば多すぎる商品は結局何に投資すればいいのか分からなくなるだけですからね。
手札が多くても活用できるのは相応の知識を身につけている場合だけですからね
まずはできるだけ簡単な投資方法を覚えて投資そのものに慣れるのが先決です。
・投資初心者が一般NISAよりもつみたてNISAを選ぶべき5つの理由
何度も言いますが、一般NISAは投資の知識も十分でさらに色々な投資手法にチャレンジしていきたい中級者以上にオススメする制度です。
そしてNISA口座に共通するデメリットですが損益通算ができないので売買をする際は注意が必要です。
損益通算とは特定口座などで普通に投資をする場合はある銘柄で利益が出た場合、利益分に税金が発生しますが、
別銘柄で損切りして損失が出たら、利益と損失を合算して利益が減ればその分かかる税金を安くできるという節税方法の一種です
が
もともとNISAは運用益が非課税というメリットを持っているせいか、損益通算ができません。
なのでNISA口座で損失が確定した場合は節税にも利用できず、そのままマイナスはマイナスとして扱われてしまいます。
しかし色々とデメリットも言いましたが、それでも金融所得税が非課税になるのはとてつもないメリットです。
中期的な投資をしたい方にはつみたてNISA以上のパフォーマンスを発揮するのは間違いないです。
さらに新NISAにロールオーバーする事で非課税期間も倍に増えるので、忘れずにロールオーバーの申請をして、より長い期間優遇制度を利用していきましょう。
NISAやつみたてNISAはデメリットもあるものの、それ以上にメリットが大きいので投資を始める上で利用しないなんてあり得ない!と言われるくらい投資家界隈では常識になっている制度です。
利用できるものはどんどん利用する!
上手に活用して富裕層に近づきたいですね
それではまた次回!