将来、年金制度は破綻しないと公言されているとはいえ、ここ数年の平均年金受給額は下降トレンド
給料も年功序列制度が徐々に破綻しつつある中、昇給も難しい世の中になってきました
企業からの退職金も今後どのように変化していくのか不透明、長寿化による老後の生活費の上昇…。老後生活に不安を抱える人が増えるのも納得です。そこで国は企業だけに頼るのではなく不足分の老後資金は自分の力で投資をして作ってほしい。そのための優遇制度は作ったからね!という事で判断を各自に委ねました
それがiDeCo(個人型確定拠出年金)です
とは言えまだまだ「投資」に対して拒否感を示す人の割合が多い日本では「投資」という単語を聞いただけで情報をシャットアウトしてしまう人も多く
2021年時点の調査でiDeCoの名前を知っている人は約6割、制度内容まで知っているという人は全体のわずか2割程度しかいません。これはすごくもったいない事ですよ
知れば資産形成には100%有利に働く情報なので、ぜひ基本を押さえて有効活用してください
基本情報・概要
長寿大国である日本では平均寿命が男性81.64歳、女性87.74歳もあり
平均寿命世界ランキング・国別順位(2022年版)では男性・女性ともに1位という結果が出ており、医療の発展とともに今後さらなる長寿化が進むと思われている
そんな『人生100年時代』を生きる上で公的年金だけでは豊かな老後生活を送るのは難しく思われます。そこで自分に合った老後の人生設計を各自にしてもらおうというのが発端です
そうして生まれたiDeCoは確定拠出年金法に基づいて実施される私的年金で簡単に言えば『自分で自分の年金を作りましょう』という制度です
iDeCoの始め方
- 加入資格の有無を調べる
- 掛け金を決める(職業別の上限を調べる)
- 運用商品を決める
- 口座開設をする金融機関を決める
- 申込書を取り寄せる(アップロード)
- 基礎年金番号の確認
- 掛け金の引き落とし口座の情報確認
- 金融機関の届出印を用意
- 必要書類を記入して返送
- 加入審査
- 審査完了
- 初期設定
1.加入資格の有無を調べる
年齢は20歳以上65歳未満日本国内在住で国民年金保険料を支払っていれば誰でも入れます
また、海外に居住している場合でも国民年金保険料に任意加入していれば加入できます
過去に未納や免除になっていても加入時点で支払いをしていれば加入できます
農業者年金に加入している者は併用して加入する事はできません
企業型確定拠出年金(DC)の中にはiDeCoとの併用を規約で禁じているものもあるので加入する際は規約の確認をお願いします
ただし2022年10月から制度改正が行われるので以降は原則すべてのDCがiDeCoとの併用が可能になります
2.掛け金を決める
- 掛け金の職業別上限金額の把握
- 掛け金を設定する5000円~上限まで1000円単位
- 無理のない範囲で
iDeCoでは職業別に掛け金に上限が設定されているので最初に自分がどのタイプに当てはまるのか確認をします
第1号被保険者
- 自営業・フリーランス
- 限度額:月6.8万円...年間81.6万円
第2号被保険者
- 会社員
- 企業年金がない場合
- 限度額:月2.3万円...年間27.6万円
- 企業型DCのみに加入
- 限度額:月2.0万円...年間24.0万円
- DBのみに加入・DBと企業型DCに加入
- 限度額:月1.2万円…年間14.4万円
- 企業年金がない場合
- 公務員
- 限度額:月1.2万円…年間14.4万円
※企業型DCは企業型確定拠出年金制度、DBは確定給付企業年金のことです
企業型DCについて学びたい方はこちらの記事もあわせてどうぞ
第3号被保険者
- 専業主婦・専業主夫・パート
- 限度額:月2.3万円…年間27.6万円
自分の掛け金上限がわかったら掛け金の設定をします
掛け金は最低5000円からで5000円以上の掛け金を設定する際は1000円単位で増やす事ができます
iDeCoは原則60歳未満での資金の引き出しができません、転職や結婚、出産などまとまったお金が必要なときもあるでしょう。自分のライフスタイル、ライフプランを考えて無理のない範囲で掛け金を設定する事をオススメします
途中で掛け金の設定変更はできますが年に1回しか変更できないので慎重に設定するに越したことはないでしょう
3.運用商品を決める
掛け金を設定したら運用商品を選びます。iDeCoは積立貯金とは違って資産運用をして自分年金を作り上げるものなので、この運用商品選びで最終的なリターンが人によって大きく変わります
それぞれの商品の特徴を把握して自分に合った資産運用をしてください
iDeCoの運用商品は大きく2つに分ける事ができます
- 元本保証型
- 運用商品:定期預金・保険
- リスクはほぼないが低金利なのでリターンもほぼない
- 運用商品:定期預金・保険
- 元本変動型
- 運用商品:投資信託
- 株や債券、ETFなどに投資信託を通じて投資を行うので大きなリターンを得る事ができるが、元本割れのリスクもある
- 運用商品:投資信託
おすすめは元本変動型
一般的に元本保証型は安定性が高く絶対に元本を減らしたくない方におすすめとされていますが
どの金融機関でも事務委託先金融機関等への手数料が毎月かかる上、口座管理手数料が発生する金融機関もある。ということを忘れてはいけません。
元本保証型はリスクこそ低いもの、だからこそリターンも少ないです
リターンが少ないということは毎月支払い続ける手数料よりもリターンが少ない場合が多いので
手数料負けにより結局元本を割ってしまう可能性があるので注意が必要です
元本が保証されているはずなのに元本が割れるという謎現象が起きます
一方、元本変動型は投資信託に投資をするのですが、投資信託とは色々な株や債券等の詰め合わせパックのようなもので中身の種類によってリスクも変動します。債券が多ければ多いほどリスクは低下しますがリターンも低下します、逆に株式の割合が増えればリスクとリターンは上昇します
iDeCoでは掛け金の範囲内で複数の運用商品を選ぶ事ができるので自分のリスク許容度に合わせて組み合わせる事で自分だけのポートフォリオを組みましょう
投資信託は大きく2つに分ける事ができます
- アクティブファンド
- 市場平均を上回る運用成果を目指す
- 信託報酬が割高
- インデックスファンド
- 市場平均に連動した成果を目指す
- 信託報酬が安い
おすすめはインデックスファンド
アクティブファンドはプロのファンドマネージャーが市場平均を上回るように運用しますが、実際にアクティブファンドがインデックスファンドよりも成果を上げる可能性は2割弱程度しかありません
なぜならアクティブファンドは平均以上を目指すために積極的に売買を繰り返します。元々手数料が割高なのに加えて売買の度に手数料が発生してしまうので利益が手数料負けしてしまう事が多く、結果インデックスファンドに勝てる可能性が低くなってしまいます
さらにどのアクティブファンドが良い結果を出すか事前に当てる事もできないので、分の悪い賭けに出てアクティブファンドで最高の結果を狙うよりもインデックスファンドに投資する事で最善の結果を狙う方が良い結果につながりやすいです
信託報酬はなるべく低いものを選ぶ
先ほどアクティブファンドは手数料が割高だから負けやすいという話が出ましたが、どんな商品でも保有しているだけで管理手数料など様々な手数料がかかってきます
iDeCoでは60歳未満は資金を動かせないという性質上、長期投資が前提です。信託報酬がたとえ0.1%の差であっても投資期間が長くなればなるほどその差は如実に表れます
リスク&リターンを把握する
リスクとリターンは表裏一体でよりリスクを取ればそれだけリターンも大きくなるので、どの商品にどれだけのリスク&リターンがあるのか覚えておきましょう
リスク&リターン
国内債券<米国債券<先進国債券<新興国債券<バランス型<全世界株式<国内株式<米国株式<先進国株式<新興国株式
海外債券や株式は為替リスクがあります。さらに新興国では特定の状況次第で貨幣価値が乱高下する可能性が先進国に比べて高いので注意が必要です
全世界株式と米国株式がおすすめ
iDeCoでは運用益が非課税になるので、せっかく運用するなら利益を出さないともったいないです。元本割れが心配ならiDeCoにせずに定期預金にでもしておく方がよっぽど良いですからね
利益を優先するのならば債券よりも株式を重視しましょう。その中でも全世界株式と米国株式は成長率も高く安定性も高めなので長期投資との相性はバッチリです
全世界株式や米国株式どちらか1本でも十分ですがリスクがないとは言わないので、不安のある方は他にも数種類の株式や債券を組み合わせてちょうどいいポートフォリオを組みましょう
どうしても自分で選べない方は株や債券、REITなどに自動で分散投資をするバランス型のファンドや年々リスクが減るように株式と債券の比率を徐々に調整していくターゲットイヤー型のファンドもオススメです
4.口座開設をする金融機関を決める
口座開設はネット証券がオススメ
iDeCoでは各金融機関によって投資できる商品が異なるので自分の投資したい商品のある金融機関で口座を開設しましょう。また、ネット証券は窓口のある大手証券会社と比べて手数料が安いので資産形成する上で有利に働きます
iDeCoおすすめネット証券ランキングはこちら
1位 マネックス証券
2位 SBI証券
3位 楽天証券
iDeCo証券会社のオリコン顧客満足度3年連続1位
信託報酬の低い人気シリーズeMAXIS Slimを取り扱っていて中でも特にオススメは
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス
つみたてNISAでも人気商品であるeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)にiDeCoで投資できるのはマネックス証券と松井証券のたった2社のみ。世界経済の成長を信じる事ができるならこれ1本でも十分な超優良ファンドです
さらに米国の人気指数S&P500にも投資できる上に、最も特徴的なのは高成長が期待できるハイテク企業が数多く上場しているNASDAQ100指数に連動するiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスはマネックス証券でしか投資する事ができません
構成銘柄にアップルやアマゾン、メタ(旧フェイスブック)、テスラなどを含んでいて人気の高成長銘柄に投資ができるので少し攻めた投資をしたい人にオススメです
SBI証券はiDeCoの口座開設者数No.1の人気証券会社です
代表銘柄は
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:『雪だるま』)
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:『雪だるま』)は連動する指数こそ違うものの信託報酬の安さもeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に並ぶ優秀な全世界株式です
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)も全世界株式ではありますがこちらはiDeCoとは別口座で日本の個別株に投資している場合にポートフォリオの日本比率を下げるのに適しています。直近の3年リターンではeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)をわずかに上回る成績を上げている事も好材料です
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に投資できるのは上記のマネックス証券とSBI証券、松井証券の3社だけです。米国の経済成長率はトップクラスで全世界株式の中身もほとんどは米国株式です。そんな米国経済への集中投資をするならS&P500は外せないですね
楽天証券は最近ポイントまわりの変更だったりで改悪がされて若干メリットが薄れつつあるという現状はありますが、それでも普段から楽天市場を利用したり楽天の格安SIMを契約していたり楽天経済圏で暮らす人には使いやすいポイントを貯められる事
ログインIDやパスワードが特定口座と共通で使えるため口座管理がラクだったりとまだまだ人気の証券会社です
代表銘柄は
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
楽天VTは世界最大級の運用会社バンガード社の「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」に投資する投資信託で全世界の約8800銘柄に投資ができます。信託報酬は若干eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に劣りますが、同じ全世界株式として同程度の成果を上げられる投資信託です
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)は同じくバンガード社の「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」への投資信託で、同じく人気のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が米国の上位企業500社に分散投資するのに対してこちらは中小型株を含む約4000銘柄に分散投資しているのが大きな特徴の投資信託です
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドはiDeCo限定の投資信託で特定口座での投資はできません。約30カ国の株式と約10カ国の債券に分散投資(比率は50:50)するバランス型のファンドですが正直な話、個人的にはあまりオススメはできないですね
信託報酬は0.58%とバランス型ファンドの中では低い方ではありますが、同じバランス型ファンドのeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の信託報酬が0.15%と群を抜いて低いためどうしても見劣りしてしまいます
また、前の方でも話しましたがiDeCoにはせっかくの非課税枠があるのに債券を混ぜてしまう事で肝心なリターンが減ってしまうとその利点を活用しきれない事態になるからです
しかし緩やかなリターンでも安定したファンドに投資をしたい場合はバランス型ファンドはオススメされます。ただし先ほども話したようにバランス型ファンドならeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)が最有力なのでこちらに投資したい場合はSBI証券、マネックス証券、松井証券のいずれかを選択する必要がありますのでご注意ください
5.申込書を取り寄せ(アップロード)
運用商品を決めたら希望する金融機関から申込書を取り寄せます
ネット証券であればWEBから加入手続きをして資料の取り寄せ(アップロード)や証券会社によってはWEB上で手続きが完了するので郵送の手間が省けます
ちなみに手数料が余計にかかるのは理解できたけど、どうしても実店舗じゃなきゃダメだ!という方は店舗に行って書類を取り寄せる必要があります
6.必要書類を記入して返送
必要書類(返送用資料)
- 加入申込書
- 事業主の証明書(サラリーマンや公務員のみ)
- 確認書(個人情報取り扱い等の同意書)
- 身分証明書のコピー
参考資料
- 引き落とし口座の口座番号
- 年金手帳(基礎年金番号)
- マイナンバー
事業主の証明書は自分で記入する場所もありますが、会社側にも印鑑をもらう部分や記入してもらう箇所があるので注意が必要です。ただしこの事業主の証明書は2022年10月からは不要になる予定のため手続きが簡略化されます
7.加入審査
返送(送信)した書類は国民年金基金連合に送られ加入資格の審査にかけられますが、審査期間は1ヶ月~2ヶ月程度かかるので申請したからと言ってすぐに積立する事はできないので注意してください
8.審査完了
審査合格後に国民年金基金連合会、記録関連運営管理機関、受付金融機関から通知書や利用の手引き等が送られてきます
9.初期設定
受付金融機関のウェブページでパスワードや決めておいた掛け金や運用商品等の設定を行う。ウェブページから設定できない場合はコールセンターからも設定ができます
以上で手続きは完了です。おつかれさまでした!
メリット・デメリット
メリット
- 掛け金が全額控除
- 受取金が一部控除できる
- 運用益が非課税
- 加入期間が60歳から65歳までに延長
掛け金が全額控除されるというのはiDeCo独自のメリットです
仮にiDeCoに2.3万円の積立を行っていて課税されるべき所得が30万円だった場合、本来であれば30万円から所得税や住民税が計算されて引かれるところ、掛け金の2.3万円が控除されるため30万円ー2.3万円=27.7万円となり課税所得が減額されるため節税効果が生まれます
さらにiDeCoでは受け取り時にも退職金所得控除などを利用する事で受取り金の一部が控除されるので節税効果がアップします
次に運用益が非課税になるという事ですがこちらはNISAと同様のメリットになりますが、資産形成をする上で非常にありがたいものです。本来、金融資産の運用益には20.315%の税金がかかりますが、それらが全額非課税となるので利益のすべてが自分の資産にする事ができるのです
そのためiDeCoではよりリターンを上げるポートフォリオを組んだ方がこの非課税のメリットが大きく輝くので安定優先の元本保証型や債券投資といったものをオススメせずに最大限のリターンを考えた株式100%の投資をおすすめしています
制度改正で元々加入期間が60歳までだったのが65歳まで延長されました。資金ロックの期間は60歳未満のままなので単純に非課税での投資期間が延長されました
デメリット
- 60歳未満は掛け金が引き出せない
- 為替リスクや価格変動リスクがある
- 企業の退職金と受け取り時期が重なると節税効果が薄まる
- 毎月手数料が発生する
iDeCoは原則60歳未満での途中解約ができません。例え、仕事を辞めて無職になり収入がなくなってしまったのだとしても途中解約で資金を取り崩す事ができないのでそもそも貯金が全然なくなってしまうような無理な運用は絶対にしないでください
しかしこの途中解約ができないというのは見方を変えれば強制的に長期投資せざるを得ないという事ですから、運用途中に無駄な狼狽売りをしたくてもできない状態なので優良ファンドに投資する事で確実な資産形成を達成する事ができます
この狼狽売りは投資初心者が長期投資において失敗する大きな要因なので自信のない人にこのデメリットありがたいですね
為替リスクや価格変動リスクは投資をする上で切り離せないリスクですが、これらのリスクも長期的なチャートが右肩上がりの優良ファンドに長期投資できているのならば元本割れを起こす心配はほぼないです
iDeCoの受け取り方には一括受け取りと分割受け取りの2種類ありますが、多くの場合で一括受け取りの方が節税の観点で有利です
一括受け取りの場合、税制上「退職金」と同じ扱いになるため「退職金所得控除」等を利用する事により支払う税金を減らす事ができます
しかし受け取り時期が重なってしまうと確定拠出年金と退職金が合算されてしまい本来別々の退職金所得控除も1本にまとめられてしまうため控除の枠以上の金額になりやすく節税効果が薄くなってしまいます
退職金を受け取らない方は無関係なので気にしなくても大丈夫ですが、退職金のある会社に勤めている方は受け取り方に注意してください
iDeCoでは口座管理手数料が毎月171円~発生します。この手数料は口座を持ち続ける限り発生し続けますが、iDeCoは60歳未満での口座解約が原則不可能なので長期間にわたって手数料を払う事になります
もし、なんらかの事情で積立投資を止めたとしても最低66円~の口座管理手数料はかかってしまうので口座開設する際は手数料の事は頭に入れておかないと、よくわからないのに多額の手数料を支払っていたなんて事にもなるので注意してください
iDeCoを学ぶ おすすめ本
iDeCoは上記のように途中解約ができなかったり、金融機関選びや投資商品にも制約があるので事前の情報収集が重要です。
こちらの本は2021年12月に新制度に対応した改訂新版が出たので、より最新の情報を網羅した一冊になっているので、これからiDeCoを始める上で失敗するリスクを減らすために情報を集めておきましょう
まとめ
本日のまとめ&復習です
iDeCoとは個人型確定拠出年金の事で国が各個人で老後資金を作ってもらうために定めた優遇制度です
ただし加入するためには条件があり、それぞれが条件を満たしているか確認が必要です。さらに自身の職業によって掛け金の上限が違います。
掛け金は最低5000円~上限までで1000円単位で増額可能ですので職業区分を確認して掛け金の設定をしておきましょう
第1号被保険者
- 自営業・フリーランス
- 限度額:月6.8万円...年間81.6万円
第2号被保険者
- 会社員
- 企業年金がない場合
- 限度額:月2.3万円...年間27.6万円
- 企業型DCのみに加入
- 限度額:月2.0万円...年間24.0万円
- DBのみに加入・DBと企業型DCに加入
- 限度額:月1.2万円…年間14.4万円
- 企業年金がない場合
- 公務員
- 限度額:月1.2万円…年間14.4万円
※企業型DCは企業型確定拠出年金制度、DBは確定給付企業年金のことです
企業型DCについて学びたい方はこちらの記事もあわせてどうぞ
第3号被保険者
- 専業主婦・専業主夫・パート
- 限度額:月2.3万円…年間27.6万円
続いて運用商品を選択になりますが、元本変動型の商品からインデックスファンドへの投資がおすすめです
iDeCoは毎月の手数料が発生するためリターンの低い商品では手数料負けをして元本割れの可能性があるほか運用益非課税の恩恵を受ける事ができないからです
iDeCoでは60歳未満では解約できない関係上、長期投資が前提になります。なので長期的にチャートが右肩上がりの全世界株式や全米株式で信託報酬が低いものに投資をしておけば高いリターンを得る事ができるのでメリットを最大化しつつデメリットを最小限にする事ができます
どんな商品に投資するか決めたら金融機関の選択をします。iDeCoでは各金融機関によって投資できる商品が違うので運用したい商品を扱っている金融機関を選びましょう
その中でも手数料が安く、優良な商品を扱っているネット証券での口座開設がオススメです
NISA口座や特定口座の場合ランキングの変動もあったりしますが、個人的にはiDeCoの口座はその他のNISA口座や特定口座と別の証券会社に口座開設をする事になったとしても特別な理由がない限りマネックス証券でのiDeCo口座開設がおすすめです
それだけマネックス証券には魅力的な商品が多いからです。信託報酬の安いeMAXIS Slimシリーズが豊富で中でもオールカントリーやS&P500に投資できるのは高得点と言えるでしょう
先ほど理由に挙げた長期投資で高リターンを得るのにはうってつけの商品だと思います。
バランスを考えてあれこれと組み合わせて投資するよりもどちらか1点集中投資でも十分な成績が出せるので余計な手間もかかりません
金融機関を決めたら各ウェブページからiDeCoの申し込み書の請求をおこなってください
※金融機関によってはウェブ上で申し込みが完結するものもあります
必要書類を記入の上返送すると加入審査にかけられますが、通常審査には1ヵ月~2ヵ月程度かかるので焦らず待ちましょう
審査に合格すれば通知書や手引きが送られてくるので案内に従って登録金融機関のウェブページで初期設定を完了させれば準備はすべて終了なので、あとはじっくり運用してください
投資期間にもよりますがほとんどの場合で預金以上のパフォーマンスで老後資金の準備ができる事は間違いないです
iDeCoを利用する上でメリットやデメリットもきちんと把握しよう
メリットは
- 掛け金が全額控除
- 受取り金が一部控除
- 運用益が非課税
- 加入期間が60歳から65歳に延長
デメリットは
- 60歳未満は掛け金が引き出せない
- 為替リスクや価格変動リスクがある
- 企業の退職金と受け取り時期が重なると節税効果が薄まる
- 毎月手数料が発生する
以上が大きなメリット・デメリットですがデメリットも裏を返せば長期投資強制装置だと思えばメリットにもなりますし、特に気をつけるべきは一括受け取りの際に退職金と時期が重なってしまったときに節税効果が薄くなるので受け取り方に注意する必要がある事です
今回はiDeCoの基本情報と始め方、メリット・デメリットについて勉強しました
ここまで読んでいただいた皆さんは間違いなくマネーリテラシーが向上しました
今までiDeCoについて全然わからなかったとしても明日からは誰かに『iDeCoって何?』って聞かれたとしても答えられますよね?
お得な制度は積極的に利用して資産形成に役立てていきましょう
それではまた次回!
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iDeCoも含め優遇制度にはメリット・デメリットが存在します
どの優遇制度が自分に合っているのか比較してみませんか?
こちらの記事から相性を調べてみてください