「つみたてNISAの口座を作ったけど何に投資すれば良いか全然わからない…」
つみたてNISAでは売買するとその都度年間の非課税枠を消費していくので、頻繁に銘柄の入れ替えをしていてはつみたてNISAのメリットが消えてしまいます
つみたてNISAでは非課税枠の再利用ができないため、頻繁に銘柄を売買するのは効率が悪いので最初に選んだ商品をそのまま長期で運用し続けた方が最終的な結果が良い傾向にあります
そこで今回はつみたてNISAで運用する投資信託選びのポイントと絶対に外さないおすすめの投資信託を紹介していきます
この記事を読んでわかること
- 良い投資信託の選び方がわかる
- 長期投資に向いたおすすめの投資信託がわかる
つみたてNISAをまだ始めていないという方はこちらの記事で始め方の解説をしているのであわせてどうぞ
NISAには一般NISAとつみたてNISAがありますが、投資初心者さんはつみたてNISAがおすすめ。
こちらの記事で解説します
・投資初心者が一般NISAよりもつみたてNISAを選ぶべき5つの理由
外さない投資信託の選び方
まずは投資信託選びで押さえておきたいポイント4点です
- インデックスファンドを選ぶ
- 全世界株式・米国株式のどちらかを選ぶ
- 信託報酬の安いものを選ぶ
- 純資産総額が一定以上で右肩上がりのものを選ぶ
この4つのポイントを押さえれば、間違いのない商品を選ぶ事ができます
順に見ていきましょう
インデックスファンドを選ぶ
投資信託は約6000本もの商品がありますが、ほぼすべての商品が「インデックスファンド」と「アクティブファンド」この2種類に分ける事ができます
- インデックスファンド:指数(インデックス)に連動したファンド
- アクティブファンド :指数を上回る成果を目指すファンド
指数というのは市場全体や特定の銘柄群の株価の動きを表すもので
日本であれば「日経平均」や「TOPIX」。世界であれば「ニューヨーク・ダウ」「S&P500」「MSCIコクサイインデックス」等どれかひとつくらいならニュースなんかで耳にしたことがあると思います
インデックスファンドは指数を追いかけるように銘柄選定して投資していくので、その値動きも連動している指数と同じような動きをします
対してアクティブファンドはプロのファンドマネージャーが個別に銘柄調査を行い、指数よりも値上がりの期待できる銘柄に投資をします
ここまで聞くと「指数を上回る成果を目指しているならアクティブファンドに投資をした方が儲かるんじゃないの?」と思う方もいるでしょう
アクティブファンドがインデックスファンドに対してどのくらいの勝率があるのかSPIVAで毎年更新されています
今回のデータでは米国のS&P500という指数に対してアクティブファンドが10年間運用した際の勝率です
結果を見るとインデックスファンドに勝利できたアクティブファンドはたったの16.93%しかありません。ほとんどの場合でインデックスファンドの方が優秀な結果を出しています
勝率の低い理由
- 運用コストが高い
- ファンドマネージャーの分析能力・リスク管理能力に左右される
アクティブファンドでは個別に銘柄選定を行うため、手数料や信託報酬といったものがインデックスファンドに比べて高い傾向があります
なので実際の運用成績が仮にインデックスファンドと同じような成績だったとしても高い運用コストの分だけ負けてしまいます。つまりインデックスファンドに勝とうと思ったらその運用コスト以上のパフォーマンスを上げる必要があります。
それにファンドマネージャーがいくら優秀でも必ず読みを当てるわけではありません。運用期間中、一部の運の良かったファンドだけがインデックスファンドに勝てているだけでそれ以外のほとんどのファンドは運用期間が長くなるほど各手数料の負担が増えて負けてしまいます。
運良く読みが当たればインデックスファンドよりも利益を上げる事ができますが、2割以下の確立で多少成績が良くなるくらいなら、8割の確率で平均以上の成果を上げてくれる方が再現性が高いのでインデックスファンドから商品を選べば間違いありません
全世界株式・米国株式のどちらかを選ぶ
インデックスファンドと言っても世界には色々な指数(インデックス)があります
その数あるアセットクラスの中から全世界株式・米国株式このどちらかを選べば間違いないでしょう
つみたてNISAは20年間の非課税期間がありますが年間の投資金額に上限があります
途中で売ったり買ったりするとすぐに投資上限に引っかかってしまい資産形成のパフォーマンスが落ちるため、一度買ったらそのまま保有し続けるのが一番効率的です
そのため20年間安心して持ち続ける事ができる商品を選ぶ事が大切です
人口の増加とともに世界経済は常に成長を続けています。歴史的に見ても過去には世界恐慌やリーマンショック、最近ではコロナショックもありましたが、一時的な暴落はあってもそれ以上に経済は成長を続けています
成長が右肩上がり指数に投資すれば長期的に見れば途中で多少暴落しても経済成長を信じて20年間持ち続ける事ができます
残念ながら日本は現在少子高齢化社会で徐々に人口が減少傾向にあるため経済成長性があまり高くないので国内指数のみに頼るのは少々リスクがありますので国内株は今回除外してあります
リスク&リターン
- リスク :全世界株式<先進国株式<米国株式<新興国株式
- リターン:全世界株式<先進国株式<米国株式<新興国株式
リスクとリターンは表裏一体です。大きく儲ける可能性があるものは大きく損をする可能性もあるということを忘れないでください
全世界株式は世界全体に分散投資をしているので世界経済の成長が続く限り安定した資産形成が可能です。対して新興国株式は暴落したときの値下がりも大きいですが、景気が良いときのリターンは一番狙えます
自分のリスク許容度や好みによって選択は分かれますが
なぜ全世界株式か米国株式を選ぶのがおすすめなのか?
その理由は高い経済の成長力と、その他のアセットクラスよりも安定性が高いからです
全世界株式はその名の通り全世界の株式を少しずつ買うわけですから、仮にどこかの国の株の調子が悪くても、成績の良い国の株がフォローしてくれるので安心感が違います。
そして、その全世界株式における構成銘柄の多くが米国株式であることから、米国の経済成長率は全世界でもトップクラスということがわかります。であるならば、その成長力に全力投資した方が効率が良いと考えるのは不思議なことではありません。
米国相場の調子が悪いときは全世界株式と比べて受けるダメージは大きいですが、米国の経済成長は右肩上がりなので長期投資を続ければ利益も大きいです。
安定性重視なら全世界株式・米国の経済成長を信じているなら米国株式
このような感じで選ぶと良いかもしれません。
信託報酬の安い物を選ぶ
つみたてNISAではノーロードと呼ばれる手数料なしの商品のみで構成されているので手数料は気にする必要はありませんが、信託報酬は存分に気にしましょう
出来るだけ信託報酬の安いものを選びましょう。たかが0.1%の違いであっても長期投資の場合、資産形成の結果に少なくない影響を与えます
純資産総額が一定以上で右肩上がりの物を選ぶ
投資信託の運用会社もビジネスですから利益を出さなければいずれ破綻してしまいます
そしてファンド維持が困難になるとファンドの償還というファンドの解散がおこなわれるため、つみたてNISAの非課税期間が途中であってもその時点で利益確定が発生します
前述したようにつみたてNISAでは売買をすると非課税枠を消費してしまうため資産形成効率が落ちてしまいます。投資期間中に自分の望まないタイミングで償還が起きないために運用会社には成長を続けてもらい、安定した運営をしてもらいたいです
運用会社の利益は信託報酬から得ています。そして資産残高が年々増加、つまり右肩上がりに成長していれば今後も成長が期待できるので望まぬ償還におびえなくて済みますし、好成長を続ければ信託報酬の減額もあり得るかもしれません
こちらはeMAXIS Slim 先進国株式インデックスの資産残高のグラフです。見てわかるように純資産を表す緑のチャートは右肩上がりに推移しています
このように安定したファンドであれば20年間の長期投資でも安心して資産を預ける事ができますね
おすすめ投資信託3選
さて、結局何処に投資をすれば良いのでしょうか?
もちろん前述した通りそれぞれのリスク許容度や求めるリターンによって答えは違ってきますが、あえておすすめするなら
極力リスクを抑えてリターンもしっかり取りたい!
迷ったらコレ!のド定番
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- 資産総額:5317.64億円
- 信託報酬:0.1144% 全世界株式インデックスの中で最安値
- 全世界の役3000銘柄、日本を含む48ヵ国に分散投資ができる
- トータルリターン:(6ヵ月)-12.68%(1年)0.17%(3年)13.38%
※データは2022/06/21 時点のもの
多くのインデックス投資家に愛される通称「オルカン」
全世界に投資をしているので世界経済は今後も成長していくというストーリーが信じられるのであれば、世界が滅亡しない限りは大丈夫!というリスク分散も効いていて長期リターンも十分。信託報酬もかなり安いので長期保有にも優れていて言う事無しの優等生投資信託です
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 資産総額:11842.83億円
- 信託報酬:0.0968%
- 米国の優良企業500社に分散投資
- トータルリターン:(6ヵ月)-14.45%(1年)6.14%(3年)17.03%
米国の超優良指数である「S&P500」に連動したインデックスファンド。オススメしていたアセットクラス先進国株式の中でも特に成長性の高い米国のみに焦点をあてた投資信託です
オルカンの倍の資産総額がS&P500の人気を表していますね
リスク&リターンは全世界株式<先進国株式<米国株式<新興国株式
世界経済の時価総額の内約44%は米国が占めています。それだけ優秀な企業が揃っている米国の成長性には期待が持てます。また、人口、GDPともに右肩上がりの増加傾向にあるところも好材料です
分散範囲は全世界に比べれば当然狭いですが、その分米国の成長による恩恵を多く受ける事ができるので、米国経済の成長に疑いがないのであれば是非とも選びたい投資信託のひとつです
個人的には世界一位の経済大国である米国の成長は疑いがないので米国特化で全然問題ないと思ってますし、実際僕が投資してるインデックスファンドも米国株式です。
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 資産総額:5518.81億円
- 信託報酬:0.162%
- 米国株式市場の約4000銘柄に分散投資
- トータルリターン:(6ヵ月)-17.36%(1年)1.62%(3年)15.89%
通称「楽天VTI」僕は楽天証券にNISA口座を持っているので、この楽天VTIに積立投資をしています。なぜ同じ米国株式なのに資産総額残高も多く信託報酬もより安いS&P500に投資をしなかったのか?
それはリスク分散の観点で見たときに米国という枠では同じですがS&P500の500社は米国の優良企業のみから選出されていますが、VTIは4000社。大企業だけでなく中小企業もカバーしているので仮に大企業の成績がいまいちでも4000銘柄の中にきらりと光る銘柄があれば成績のカバーやブーストをしてくれる可能性があるからです
あくまでも個人の考え方によるので分散も500銘柄もあれば十分という方も大勢います。米国の成長は信じてるけど500 or 4000どのくらい分散した方が自分のリスク許容度にマッチするのかという違いでしかないので自分に合う方に投資してください
ちなみにSBI証券で同様の商品を買いたい場合はSBI・V・全米株式インデックス・ファンドという投資信託に投資してください。実はこちらの方が楽天VTIよりも信託報酬が0.0682%も安い0.0938%に設定されているので長期で保有した際のパフォーマンスはこちらの方が上です
とは言え、まだ出来たばかりのファンドなので安定感は楽天VTIに軍配が上がりそうです。この辺りは各自の好みによって分かれるところですね
まとめ
本日のまとめです
外さない投資信託の選び方は以下の4つ
- インデックスファンドを選ぶ
- 全世界株式・米国株式のどちらかを選ぶ
- 信託報酬の安いものを選ぶ
- 純資産総額が一定以上で右肩上がりのものを選ぶ
長期投資では市場の平均を狙うインデックファンドの勝率が高いです。値動きに惑わされない精神的にも安定感のある投資先をコアに据えましょう
アセットクラスは全世界株式・米国株式のどちらかを選べば間違いないです。世界情勢次第では新興国株式の方が利益を得る可能性はありますが、その分新興国はリスクも大きいので全世界か米国なら満点はとれなかったとしても80点の成績を残すことができるでしょう
リスク&リターンは全世界株式<先進国株式<米国株式<新興国株式の順になっているので自分のリスク許容度に合わせた選択をすると良いでしょう
その中でも信託報酬の出来るだけ安いもの選べば長期の資産形成効率が上がります
そして、純資産残高が右肩上がりならそのファンドが順調に成長を続けている証明になるので投資途中に望まない償還が起きる確率は減らせるでしょう
最後にどこに投資すれば良いのかわからない方におすすめの投資信託3選はこちら
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド or SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
リスク&リターンは ①< ③ < ②
手堅く全世界に分散するのか、それとも米国企業の成長性に賭けるのか、米国は信じてるけどもう少し分散はさせたいのか…こればかりは好みなので絶対の正解はありません
それでもわからない!という方はリスクを取り過ぎるのは危険なので全世界株式への投資を考えてください
資産形成には様々なゴールがありますが、自分が何のために投資をするのか目標をしっかり定めて適切なリスクを取りましょう。行き過ぎたリスクを取ることは破産の可能性を高めます
これからもしっかり学んで素敵な投資ライフを送りましょう
それではまた次回!